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動物別症例集 2ページ目

犬の東洋眼虫

東洋眼虫は結膜の奥や涙管の中、瞬膜の裏側に寄生する体長5~18mmの小さな白色の線虫で、感染当初はほとんど無症状ですが、成虫になり動き回るようになると、目ヤニ、結膜炎、流涙、瞬膜の炎症などを起こします。治療法は点眼麻酔を行い、まぶたや瞬膜の裏側や奥をチェックし、直接虫体を摘出して治療します。人獣共通感染症として人にも感染する可能性があるので注意が必要です。


犬の色素上皮嚢腫

前房と呼ばれる部位に黒い嚢胞が浮かんでいることを色素上皮嚢腫といいます。腫瘍との鑑別が必要ですがこの嚢胞が前房内を上下左右自由に動くのが特徴です。嚢胞の個数が少なく視界をじゃましなければ手術の必要はないですが、嚢胞の個数が多く視界のじゃまをするようだと手術が必要です。


犬の皮膚組織球腫

皮膚組織球種は、犬特有の良性の腫瘍でおもに1~2才の若い犬にみられます。場所として顔や頭、耳、足先などにできることが多いです。見た目は、ピンク色した半球型の単発性のしこりです。組織球腫のなかには外用コルチコステロイド剤で縮小し、消滅するものもありますが、治療せずとも約8~12週間で自然に消失しまう事が多いです。悪性腫瘍である肥満細胞腫との鑑別診断を厳密に行うために、ほとんどの場合には外科的切除を必要とします。


犬の胆嚢摘出(胆石)

胆汁が濃縮して泥状に変性した胆泥が、さらに石になったものを胆石といいます。胆嚢に異常が生じても初期にはほとんど無症状で、進行した場合に元気・食欲の低下や嘔吐が見られることがあります。
治療として、軽度であれば胆汁の分泌を促進する利胆剤を投与する内科治療で様子を見ます。内科治療に反応しない場合や、胆泥、胆石などが閉塞を引き起こしている場合には外科的処置が必要になります。
定期的な健康診断で早期発見をする事も大切です


犬の会陰ヘルニア

会陰ヘルニアは、原因は不明な点も多いですが、男性ホルモンが影響していると考えられます。5歳以上の雄犬に多く見られます。症状は、ヘルニア嚢内に腸が出て、便秘や排便困難が見られるようになります。

治療は外科手術で、筋肉の隙間を他の筋肉で塞ぎ、脱出した臓器を元の状態に戻します。同時に去勢手術を行うことで発生率は低下することがわかっているので、予防できる病気です。


犬の胃捻転胃拡張症候群

胃捻転胃拡張症候群とは胃がねじれて拡張してしまう急性の病気のことを言います。最悪の場合、死に至ることもあります。原因としては食後の激しい運動・多量の食事を一気に食べる・遺伝的要因などがあり、一般的には胸の深い大型犬で起こりやすいですがどの犬種でも起こる可能性はあります。初期症状としては落ち着きがなくなる・お腹が張る・よだれ・吐く仕草などがあります。立てなくなったり、ショック症状がみられた場合は死亡率が高いので注意が必要です。治療は症状によって変わりますが、手術による捻転の修復と固定術が必要になる事が多いです。


犬の第三眼瞼突出

第三眼瞼突出とは、第三眼瞼(または瞬膜)の裏側にある腺が炎症を起こし、赤く腫れた状態のことで、チェリーアイとも呼ばれます。先天的・後天的など原因は様々ですがそのままにしておくと結膜炎や角膜炎になってしまいます。軽度であれば点眼薬で腫れを引かせることができますが、慢性化したり突出が重度だと手術が必要になります。写真はポケット法と呼ばれるやり方です。


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