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動物別症例集

ウサギの陰嚢ヘルニア

ウサギの陰嚢ヘルニア

一般的なオスの動物において、精巣は最初は体の中にあるのですが、成長とともに陰嚢に降りてきて、体の中と陰嚢の間の穴は塞がります。
ですが、ウサギさんではこの体の中と陰嚢の間の穴は生涯を通じて開きっぱなしです。
そのため、精巣が陰嚢にあったり、体の中に戻ったりすることもあります。

陰嚢ヘルニアでは、その穴を通って、本来体の中にあるはずの臓器が陰嚢に出てしまいます。
今回のウサギさんでは、膀胱というおしっこを貯める臓器が出てしまい、おしっこが出にくい様子がありました。

ヘルニアの場合、臓器に血が巡らなくなってしまったり、膀胱の場合はおしっこが出なくなるなど危険な状況になる可能性もあります。
この子は手術で、膀胱を体の中に戻し陰嚢ヘルニアの部位を縫って塞ぐことで事なきを得ました。


ヘルニアを疑う場合、いつもと違うところ(おへそ、陰嚢など)が膨らむことで気づくため、健康診断で触診する際に見つかることもあります。
早期発見のために、普段からのスキンシップや定期的な健康診断が大切です。


ウサギの肝葉捻転

ウサギの肝葉捻転

肝葉捻転とはウサギさんの救急疾患の一つで
肝臓という臓器がねじれてしまう病気です。

症状としては、胃腸のうったいの時と同じような症状
具体的には、食欲不振、元気低下、便の減少、腹痛、軟便などが出ます。

検査によって、単純な胃腸のうったいではなく、肝葉捻転を疑う場合は手術が必要になります。
繰り返す胃腸うったいや、反応が悪いうったいの場合には血液検査などの検査もオススメいたします。


ウサギのトレポネーマ症

概要
トレポネーマという糸状・らせん状の菌に感染することで起こる皮膚炎です。
ヒトの梅毒症と原因菌や症状が似ているため、ウサギ梅毒と呼ばれることもあります。

ヒトに感染することはありませんが、ウサギ間では交尾によって感染を広めていきます。
また、母ウサギから子ウサギへの接触でも感染することがあります。

症状
トレポネーマに感染後、ストレスや体調悪化などが引き金となり発症します。
発症すると陰部と口・鼻の周囲にかさぶた、潰瘍、水ぶくれなどを形成します。
くしゃみや鼻水がみられることもあります。
また、感染していても症状が出ないこともあり、他のウサギへの感染源になってしまうことがあるので注意が必要です。

治療法
抗生物質の投与により症状の改善が見られますが、完治することはなく、また何らかのきっかけで発症をくりかえしてしまいます。
一度発症してしまったウサギさんは残念ですが繁殖に供さないことが、病気の蔓延防止には有効とされています。


ウサギの子宮疾患

ウサギは非常に子宮疾患が多い動物で、5歳以上のメスのウサギの約60%が子宮疾患になると言われています。

子宮内膜増殖症や腺癌が多く、その他にも子宮蓄膿症や子宮水腫など様々な病態が認められます。
子宮腺癌では、対応が遅れると肺や肝臓へ転移し、亡くなってしまいます。
また癌でなくても、出血多量を起こして命に関わることもあります。

症状としては陰部からの出血で発見されることが多いですが、ウサギの尿は正常でも色素により赤くみえる場合があるため注意が必要です。
また、ウサギはあまり体調の変化を表に出さない動物なので、発見した時にはかなり病態が進んでしまっていることも珍しくありません。

避妊手術によって子宮疾患は予防できます。
ウサギの麻酔はリスクが高いという話もありますが、前述のように、メスのウサギはそれ以上の高率で子宮疾患になります。
今はウサギの麻酔も進歩しており、麻酔を安全に行う専用の道具も開発されています。

健康な若いうちに、なるべく早期の避妊手術をオススメします。


ウサギの毛球症

胃の内容物がうっ滞を起こす消化器疾患で、毛づくろいによって飲み込まれた被毛が胃内で毛球を形成し、うっ滞を生じたものを毛球症と呼ぶ。症状として食欲不振、軟便、便の変形やお腹の張りなどがみられます。
発生の原因として毛づくろいのし過ぎ以外にも、食事の繊維質不足、ストレスによる胃腸運動の低下、異物などがあります。基本的には内科療法で、重度の場合には外科手術が必要な場合もあります。予防としては、定期的なブラッシングや、毛球形成防止剤の内服があります。


ウサギの軟部組織肉腫

軟部組織肉腫は皮下組織や筋肉などの軟部組織に発生する悪性腫瘍の一つです。発生部位は様々で、四肢・体幹・顔などです。この腫瘍は局所浸潤性が高く、転移は比較的低いと言われています。治療は外科的切除が一般的ですが、広範囲に切除しないと再発する可能性があります。その他の治療は抗がん剤や放射線治療などがあります。


ウサギの歯根膿瘍

ウサギの歯根膿瘍は、歯根部に細菌が感染し膿が溜まる病気で、主な原因として不正咬合があります。不正咬合になると削れずに伸びすぎた歯が棘(とげ)となって口内に刺さって膿んだり、硬い飼料(ペレット)の食べ過ぎで歯根に過度の負荷がかかりできた隙間から細菌感染を起こします。治療は抗生物質などの内科的な治療ではあまり効果がみられないことが多く、全身麻酔下での抜歯、排膿による消毒と開放創を作ることで中に膿を溜めないようにする外科的治療が一般的です。しかし完治が難しく、長期間治療が必要となります。


ウサギの乳腺腫瘍

ウサギの乳腺腫瘍は悪性腫瘍の確率が高く、乳腺癌として知られています。転移率も高いので、早期発見が重要になってきます。普段の生活からお腹などを触る習慣をつけておくとよいでしょう。ウサギの乳腺腫瘍も犬や猫と一緒で、外科的摘出術が第一治療法です。再発率も高いため、手術後の定期的な健診も大事です。


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