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動物別症例集

ニシアフリカトカゲモドキの卵閉塞

上記の画像は2ヶ月前に交配してから食欲が廃絶し、腹部が膨満したニシアフリカトカゲモドキのレントゲン画像です。
下腹部には卵殻が形成された2つの卵が確認されます。

トカゲの雌性生殖器疾患である卵閉塞の主な症状としては
食欲不振、腹部膨満であり、卵殻形成によるカルシウムの大量消費
のため低カルシウム状態となり、卵管平滑筋の反応を低下させ難産を助長させたり、
元気の消失や神経症状もみられる場合もあります。

治療法としては、水和状態や栄養性の問題を考慮し、補液やカルシウム剤の注射や
産卵を促すためオキシトシンやアルギニンバソトシンの注射を行うこともあります。
生殖器の損傷や異常がみられたり、内科療法が無効であった場合は外科的処置も一つの手段として挙げられます。
また治療だけでなく、産卵床は適切か、環境ストレスはないか、などの飼育者の飼育環境の見直しが最も重要な改善の糸口となる場合もあります。


ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)の卵胞うっ滞

上記の画像は1ヵ月内科療法しても改善がみられず外科的摘出にのぞんだヒョウモントカゲモドキの停滞していた卵胞の写真です。

卵胞うっ滞を呈した場合、卵胞による体腔内の物理的占拠により、初期には消化管が圧迫され、
食欲不振と腹部膨満が認められることが多く、続いて体重減少、元気消失、後躯不全麻痺などがが認められます。

内科療法としては、脱水を緩和するため皮下点滴を行い、低カルシウム血症を防ぐためカルシウム剤を注射を行います。
それでも改善が見られない場合は、外科的に卵胞の摘出を試みます。

本症例は外科的治療後も予後は良好で、摘出後、食欲が戻り体重も増え元気になりました。


犬のマダニ寄生

写真のチワワちゃんの目の周りについているイボのようなものすべてが2枚目の写真にある吸血したマダニたちです。

このようにマダニ予防をしていない状態でワンちゃんと一緒にハイキングやキャンプなどに行くと顔回りや胸部、おしり周りなどにマダニが寄生している可能性があります。

マダニに咬まれると、犬は皮膚炎や貧血、栄養障害などの病害のみならず、マダニが病原体の運び屋となって、場合によっては感染症により、命に関わる危険性もあります。

また動物に寄生したマダニは人にも移る場合があり、ペットからのマダニ媒介によりウィルス感染して死亡したという報告(SFTS:重症熱性血小板減少症候群)もありますのでしっかりとしたノミ、マダニ予防の徹底を行いましょう。

寄生したマダニは、セメントのような物質で固定しているため、引っ張ってもなかなか取れません。無理に取れば、口器だけ皮膚内に残り炎症や化膿などの原因となります。そのため、マダニを取り除くときは動物病院で口器を皮膚内に残さないように専用のピンセットによる除去や、薬剤を使用して取り除くことをお勧めします。


フェレットの耳血腫

フェレットの耳血腫になった左耳の写真です。2枚目の右耳の画像と比べると青く腫れあがっていることがわかります。

概要
耳介を擦過や振動のような傷害により、軟骨が骨折して出血がおこり血液が軟骨板内に貯留し血腫が形成される病気です。

原因
フェレットの場合はミミダニが寄生している場合が多く、基礎疾患として外耳炎があることが多いとされています。
それらが発端となり、かゆみが発生し、耳を掻いたり振ることで軟骨を損傷し耳血腫となります。

症状
頻繁に頭を振ったり、掻いたり、こすりつけたりなど耳を気にする仕草をしたり、耳が垂れていたり、腫れていたりしていることに飼い主さんが気づき来院される場合が多いです。

治療
基礎疾患の治療とともに耳のかゆみや不快感を取り除くためステロイド剤を短期間投与したり、その他の消炎剤も使用するケースもあります。
細菌感染のリスクがある場合は抗生物質の使用や、貯留液を減少・消失させるインターフェロンの注入療法なども内科治療として知られています。
外科的には切開して内容液を除去し、ドレーンなどを設置し、圧迫包帯を行ないますが、当院では傷痕が残りにくい内科療法を積極的に行っています。


爬虫類両生類の代謝性骨疾患(MBD)

概要
主に爬虫類や両生類にみられる病気で、偏食のフクロモモンガでみられることもあります。
くる病や骨軟化症という骨疾患を引き起こすこともあります。

原因
低カルシウム血症が原因とされ、栄養不均衡(低カルシウム、高リン、ビタミンD不足)や、紫外線が必要な種では照射不足により起こります。

症状
成長不良や食欲不振、骨の菲薄化などが主な症状です。重度になるとけいれんを起こしたり、骨格が変形したりします。カメの場合は甲羅の変形やクチバシの過長がみられます。

治療
まずは飼育環境の見直しが必要で、症状に応じてカルシウムの注射や内服薬が必要な場合があります。


フェレットの異物による腸閉塞

概要
フェレットの消化器疾患ではよく見られる疾患です。
異物の種類は年齢により違いがあり、2歳以下の子は布、スポンジ、ゴムなどをよく飲み込んでしまいますが、中~高齢の子では自身の毛の塊(毛球)を詰まらせてしまうことが多いです。

症状
重度の場合は嘔吐、流涎、下痢、体重減少等の症状がみられますが、初めの頃は元気消失、食欲不振などの非特異的症状で気付きにくいです。

診断
基本的には画像診断(レントゲン、造影レントゲン、エコー検査)によって診断しますが、最終的には試験的な開腹手術で確定することもあります。

治療
開腹手術を行い、胃や腸を切開して異物を摘出します。


ハムスターの直腸脱

概要
過度にお腹に力が入ったときに直腸が肛門から飛び出してしまった状態になり、これを直腸脱とよびます。
ハムスターは直腸脱を起こしやすい動物として知られています。

原因
ひどい下痢や便秘、加齢などが原因となって起こります。
下痢にはウェットテイルと呼ばれる腸疾患や寄生虫が関わっていたり、便秘には腎不全や水分摂取不足などが関与していることがあります。

症状
飛び出してしまった腸は、うっ血や感染を起こしてしまいます。
ひどいときは腸が壊死してしまったり全身に感染がまわって、命にかかわることも多いです。

治療
なるべく早くに肛門内に戻します。
再脱出することも非常に多いので縫合糸で肛門を狭めるような処置も行います。
また、原因となるような疾患の治療も同時進行で行います。


ウサギのトレポネーマ症

概要
トレポネーマという糸状・らせん状の菌に感染することで起こる皮膚炎です。
ヒトの梅毒症と原因菌や症状が似ているため、ウサギ梅毒と呼ばれることもあります。

ヒトに感染することはありませんが、ウサギ間では交尾によって感染を広めていきます。
また、母ウサギから子ウサギへの接触でも感染することがあります。

症状
トレポネーマに感染後、ストレスや体調悪化などが引き金となり発症します。
発症すると陰部と口・鼻の周囲にかさぶた、潰瘍、水ぶくれなどを形成します。
くしゃみや鼻水がみられることもあります。
また、感染していても症状が出ないこともあり、他のウサギへの感染源になってしまうことがあるので注意が必要です。

治療法
抗生物質の投与により症状の改善が見られますが、完治することはなく、また何らかのきっかけで発症をくりかえしてしまいます。
一度発症してしまったウサギさんは残念ですが繁殖に供さないことが、病気の蔓延防止には有効とされています。


ボールパイソンの水疱病

概要
ヘビ類に多く見られる皮膚病で、水疱症、小疱性皮膚炎、壊死性皮膚炎、スケールロットなど、様々な名称があります。

原因
皮膚に細菌感染が成立すると発症します。
ケージ内の多湿や換気不足、不衛生、ストレスなどの環境要因と、ダニや寄生虫感染、免疫低下などの内的要因が関係することがあります。

症状
主に腹部の皮膚が赤くなったり、水ぶくれを形成し、それがはじけて潰瘍になったりします。
重度になると敗血症を引き起こし、命にかかわることもあります。

治療法
患部の消毒と抗生物質の投与がメインの治療法になります。
症状に応じて外用薬(塗り薬)を処方することもあります。
また、飼育環境の見直しも非常に重要です。


犬の橈尺骨骨折

トイプードル、チワワ、ポメラニアンなどのトイ犬種といわれる小型犬やイタリアン・グレーハウンドなどの前肢は細いため衝撃に弱く、抱っこ中に落下して骨折するケースや、ソファから飛び降りて骨折してしまうケースが多いです。
特に前腕部を構成する橈骨と尺骨をまとめて骨折することを橈尺骨骨折とよびます。

骨折の程度にもよりますが、通常は体内にプレートを埋め込んで骨を固定する手術を行う必要があります。
ヒビ程度であればギプスなどの外固定でも治癒することがあります。

骨の癒合がレントゲン撮影で確認できたら、再度手術をしてプレートを摘出します。

ちょっとの不注意で二度も手術をするような大掛かりな事態になってしまいますので、高いところには登らない、高いところから飛び降りない、などのしつけを普段から行っておくことが重要です。


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