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動物別症例集

ハムスターのイエダニ

ハムスターのイエダニ

イエダニは基本的には野外のネズミを吸血するダニです。
一般家庭には付近で死んだネズミの死骸から広がっていくと言われていますが、
ペットのハムスターにも寄生することがあります。

ハムスターの毛の中をよーく見てみた時に赤黒い粒が動いていたら、イエダニ寄生の可能性があります。
寄生されたハムスターは吸血されるため、貧血になるリスクもあり、早めに駆虫してあげることをお勧めします。
また、周りに広がって他の動物や環境中に潜む可能性があるため、環境中の駆虫(部屋あるいは家の駆虫)や同居ペットの駆虫もした方がいい厄介なダニです。

人も場合によって吸血されることもあるため、動物と人の健康のために気を付けてあげましょう。


犬の胃内異物(内視鏡による摘出)

犬の胃内異物

ワンちゃんは家の中や外でいろんなもの(異物)を口にしてしまう可能性があります。
食べたものが問題の無いものであればいいのですが、体に異常をきたす可能性があるものであれば、体の外に出す必要があります。

そこで選択される方法としては、一般的に催吐処置(吐かせる)、内視鏡を使って取り出す、外科的摘出(お腹を切って出す)などの方法があります。
食べてから時間が経っておらず胃の中に残っているのか?先端が鋭利なものではないか?サイズはどんなものか?などによって、適切な治療法は変わってくるため、相談の上で治療方針は決めていければと思います。

写真の症例は、先端が鋭利になっているつまようじを誤食したワンちゃんで、内視鏡による摘出をした症例です。
幸い胃の中も激しく傷ついておらず、内視鏡による異物摘出後は、いつもどおりの生活に戻れたようで良かったです。


トカゲ(フトアゴヒゲトカゲ)の口腔内腫瘍

トカゲ(フトアゴヒゲトカゲ)の口腔内腫瘍について

トカゲの口の病気としては、口内炎(マウスロット)などが一般的に知られている病気かと思われます。
しかし、中には口内炎っぽく見えても腫瘍だったという子もいます。

口内炎治療に反応しない口の赤みや腫れがある子では、腫瘍の可能性なども考慮して、犬や猫のように麻酔をかけた上でしっかり組織を切り取って病理検査に出してみるといいと思います。

腫瘍の治療は、トカゲに限らずエキゾチック動物全般でまだ確立されたものはないため、犬猫の治療などを参考に一緒に検討させていただくことになります。
具体的には、切り取れる範囲の腫瘍なら根治療法として外科的に切除、切り取れないものに対しては治療~緩和療法として化学療法(抗がん剤)や放射線などです。
まだまだ治療反応や余命がどこまであるのか明確には出来ないことが多いですが、飼い主さんとも相談しながら治療を進められればいいなと思います。


ウサギの陰嚢ヘルニア

ウサギの陰嚢ヘルニア

一般的なオスの動物において、精巣は最初は体の中にあるのですが、成長とともに陰嚢に降りてきて、体の中と陰嚢の間の穴は塞がります。
ですが、ウサギさんではこの体の中と陰嚢の間の穴は生涯を通じて開きっぱなしです。
そのため、精巣が陰嚢にあったり、体の中に戻ったりすることもあります。

陰嚢ヘルニアでは、その穴を通って、本来体の中にあるはずの臓器が陰嚢に出てしまいます。
今回のウサギさんでは、膀胱というおしっこを貯める臓器が出てしまい、おしっこが出にくい様子がありました。

ヘルニアの場合、臓器に血が巡らなくなってしまったり、膀胱の場合はおしっこが出なくなるなど危険な状況になる可能性もあります。
この子は手術で、膀胱を体の中に戻し陰嚢ヘルニアの部位を縫って塞ぐことで事なきを得ました。


ヘルニアを疑う場合、いつもと違うところ(おへそ、陰嚢など)が膨らむことで気づくため、健康診断で触診する際に見つかることもあります。
早期発見のために、普段からのスキンシップや定期的な健康診断が大切です。


フトアゴヒゲトカゲのコクシジウム

フトアゴヒゲトカゲのコクシジウム


トカゲの便検査で比較的良く出てくる寄生虫の一種類です。

胃腸の他にも胆管・胆のうや腎臓にも寄生すると言われています。

寄生されると症状として、食欲が無くなったり、体重減少、元気消失、嘔吐などが出ます。

治療には飲み薬があります。


うんちの検査で寄生虫の確認ができれば、症状を出す前に治療を行うこともできるので、健康診断が大切です。


リクガメの陰茎脱

リクガメの陰茎脱

交尾の際に使用する陰茎が出っぱなしになってしまう病気です。
仲間のリクガメなどに陰茎を噛まれてしまったり、床で傷つけたり、腫瘤などの問題があったり、
原因はいろいろあるのですが、陰茎がずっと戻らない場合は外科的に切除を検討しなければならない状態です。

リクガメの陰部から何かが出てきた場合には、
それが何者なのか?根本的な原因は何かないか?
確かめた上で処置が必要となります。


猫 心筋症

猫の心筋症

猫の心筋症は、症状が出ないことも多いのが難しい病気です。
健康診断や少し調子悪そうという状態で調べてみたら心筋症が発覚するという例もよくあり、
症状が出るころには胸に水が溜まってしまったり、血栓が詰まって致死的な状況になっていることもあります。

また、心筋症の種類も多く
いろいろな検査を組み合わせて診断していく必要もあります。

病気なのに、症状が出ず、気付いた時には手遅れになっていることもある恐い病気のため
健康診断などで定期的にモニターしていくことが大事な病気とも言えます。


猫のアレルギー性皮膚炎

猫のアレルギー性皮膚炎

猫ちゃんの皮膚に脱毛や赤みが出たり、痒みが出たりする病気の一つです。
眼の上や耳など顔回りに症状を示すことが多く、中々治りにくかったり、季節性に再発を繰り返したりすることもあります。

アレルギー疾患の一つなので、他の皮膚病の原因(寄生虫や感染、腫瘍など)を除外した上で診断する必要があるため
確定診断には様々な検査が必要になります。

さらに抗原(アレルギーの原因)として、ノミや食事など、
何に対するアレルギーなのか確認していくには食事を変えてみたり、試しに駆虫薬を使ってみたり
いろんなアプローチが必要になります。

また、食事でもノミでのない原因のアレルギー性皮膚炎として、
「非ノミ非食物アレルギー性皮膚炎」というものもあります。

いずれにしても、
猫ちゃんが痒くて、生活の質が落ちる病気の一つのため、
原因を調べて症状を抑えるための治療を始めることが大切です。


犬の骨盤骨折

犬の骨盤骨折

骨盤骨折は犬のお尻から股の辺りにある骨盤という骨が折れる病気です。
骨盤の周囲は様々な筋肉などで守られているため、簡単には折れないのですが、交通事故や落下などの大きな衝撃が加わると折れてしまうことがあります。

症状として、
歩行に異常が出たり、骨盤周りが狭くなることでうんちを出しにくいなどの異常が出ます。

今回の症例では、骨盤の骨の位置を正しく合わせて、プレートとねじを用いて治療を行いました。

やっていることは骨折の治療にはなるのですが、骨盤骨折の場合は大きな力が本人に加わった可能性があるため、内臓器に異常がないか、他の骨折も併発してないかなど広く検査を行う必要があります。


ウサギの肝葉捻転

ウサギの肝葉捻転

肝葉捻転とはウサギさんの救急疾患の一つで
肝臓という臓器がねじれてしまう病気です。

症状としては、胃腸のうったいの時と同じような症状
具体的には、食欲不振、元気低下、便の減少、腹痛、軟便などが出ます。

検査によって、単純な胃腸のうったいではなく、肝葉捻転を疑う場合は手術が必要になります。
繰り返す胃腸うったいや、反応が悪いうったいの場合には血液検査などの検査もオススメいたします。


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